目次

Ⅱ.加工条件の考え方

「Ⅰ.放電加工とは」へ

「Ⅲ.電極の設計方法」へ

5.材質による加工条件

電極や工作物の材質により、適する加工条件が異なります。

1)電極材質:銅―工作物材質:鋼

一般的な荒加工から仕上加工領域まで、「極性」は”逆極性“とします。
他の電極材質に比べて「τon」を“長く”することによる電極消耗の低減の効果が大きくなります。
仕上面あらさが細かい領域では、微小な放電パルスによる効率的な加工を可能にするため、「極性」を“正極性”とします。

銅の条件

2)電極材質:グラファイトー工作物材質:鋼

一般的な荒加工から仕上加工領域まで、「極性」は“逆極性“とします。
放電パルスが発生しやすく、局部的な集中放電による異常状態になりやすいため、電極材質:銅に比べて「τon」を“短く”します。

仕上面あらさが細かい領域では、微小な放電パルスによる効率的な加工を可能にするため、極性を"正極性”としますが、電極消耗が電極材質:銅に比べて3倍程度に増大します。

グラファイトの条件

3)電極材質:銅タングステンー工作物材質:超硬合金

超硬合金は熱により溶解されにくいため、熱衝撃による加工が適しています。このため、「極性」は“正極性”とし、「τon」 を“極度に短くし”、「ピーク電流値」は極度に高くします。

銅タンの条件