目次

Ⅰ.放電加工とは

「Ⅱ.加工条件の考え方」へ

「Ⅲ.電極の設計方法」へ

7.少ない電極消耗率

放電加工で発生する火花の温度は6000度程度といわれています。火花が電極と工作物の間で発生すると、火花が発生した部分は高温に溶解されます。この火花の持続時間は1/1,000,000~1/1,000秒程度に調整し使用され、持続時間を長くするほど大きく溶解します。

 

火花の発生により電極と工作物は同じように高温に溶解されるはずですが、電極の形状を効率よく“転写”するためには電極の溶解による消耗を小さくする必要があります。このため、電極は溶解しにくい材質が適しており、また工作物は溶解しやすい材質ほど効率的な加工が可能になります。

 

現在、電極の材質として銅が最も多く利用されていますが、銅は熱伝導がよく部分的な溶解がおきにくい材質です。また工作物としての鉄の加工に利用されることが多く、鉄は比較的に部分的な溶解がしやすい材質であり、「銅(電極)と鉄(工作物)の材質」の組合せでは電極消耗率1%以下が可能になっています。

 

電極消耗率 [%] = 電極の消耗量 [g] / 工作物の加工量 [g] × 100

 

溶解