8.放電ギャップ
電極と工作物の間で火花を発生させるためには、適度な“すき間”が必要です。このすき間のことを“放電ギャップ”と呼んでいます。
雷の火花は雲から地上までの非常に長い距離で発生しますが、その電圧は数100万ボルトに達するといわれています。放電加工では、高い電圧では高精度な加工に適さないため印加する電圧は50~300ボルト程度です。このため、放電加工機の放電ギャップは0.005~1.0mm程度です。
電極とワークが接触した状態(放電ギャップ0)になると火花は発生せず加工が進行しません。放電加工機は、加工の進行に応じて電極を微細に上下に移動させて、火花の発生に適した放電ギャップになるように電極位置を調整しています。このように放電ギャップを適正に保つ制御を“放電サーボ”と呼んでいます。